デザイン学・建築意匠学の修士研究終了

長らく更新をストップしていましたが、この度修士研究も完成を迎え、時間に余裕ができました。
(写真が全体の展示物)
わたしはエゾボラ(俗称ツブやマツブ)と呼ばれる生物の身体構造を分析してそれを建築意匠、構造、環境制御に応用するといった研究をしていました。
一言で言うとバイオミメティクスデザインです。

現在の建築設計においてのバイオミメティクスは生物の一面的な機能を模倣したものが多く散見されますが、生物はそれ自体が自然界に適応した構築物なはずで、もっと参考にするべきところが多いだろうとおもったのが研究の理由です。

本研究では貝殻を建築構造では強度と薄さ、それに加えて環境制御には対数螺旋の曲面による採光に用いており、内臓を解剖して、えらのかたちから新たな採暖や採光のシステムを構築しました。
エゾボラの分析には発生生物学の知見を用いていて、個体発生(成長)から構造の不変的な法則を導きました。
こんな貝殻でも、わずか3つの数式だけでかたちを表現できます。
数式は単純なもので、「平面の螺旋」、「螺旋の高さの軌道」、「輪郭の曲線の式」でこの殻を近似的に理解しました。
こんな模型が出来上がります。
あとは殻の内包体積を居室に見立てたときの殻の薄さを、シェルの建築外壁にしたりして
結婚式教会(五十嵐太郎命名)を設計しました。

エゾボラを切断したときの美しさや、合理的な身体構造を真摯に伝える設計を心がけました。
次回はパースなどを載せます。

Rhizm

「ものづくりを通して豊かさや気持ちの高まりを発信できれば」と、気ままに更新中。 【ここのつ】というシリーズもので、DIYの記録もあげています。主につくったもの/使ったものの紹介で、誰かの参考になればと思います。 建築家として独立するため考え・経験を書き溜める自由帳としても使っています。

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