実際の建築の建ち方を本で学ぶ
私が大学の建築コースにいた時の悩みですが、課題で建築設計をしているのに実際どうやって建っていくかがイメージ程度にしかわかりませんでした。というのも建設現場の視察の機会は何度かありましたが、「遣り方」から「内部仕上げ・完成」まで数百日を要する全行程を、毎日見ていくわけにはいきません。
今回紹介する本は『RC住宅のつくり方』です。(記事下にリンクがあります。)
駒田剛司氏、駒田氏、深澤浩司氏共著のこの本では、著者主宰の駒田建築設計事務所が設計した「pallets」という住宅の実際の施工プロセスをビジュアル化し、わかりやすく紹介してくれています。
前半部分は施工プロセスを1〜16の段階にわけて「遣り方」→「基礎配筋」→「基礎スラブ打設」・・・→「外部仕上げ」・・・と順々に見ていくことができます。著者がおすすめしているようにパラパラ漫画のようにめくっていくと、だんだんと出来上がっていきます。面白い。笑
(著作権保護のためモザイク処理をしています。)
後半部分は主に建物の写真と詳細図が掲載されており、前半でさらった施工プロセスと実際の写真を見比べることで「ああなるほどここはこういう風にできあがったのか」と納得させてくれます。 そして写真を見た後にわいてくる「じゃあここの建具の収まりはどうなっているんだろう」という疑問には詳細図が対応してくれます。読んでいて「なんて手厚いのだろう」と思いました。笑
「一つ分の設計物と現場」にかかる時間と手間を凝縮した映画を見ている気分になります。
本日紹介した本は同じ悩みを抱えた建築学生に届けば幸いです。建築に関わっていない方も、誰かのつくった「住宅」に住んでいるはずなので、おうちのつくられかたを知っていると、今後自宅を作る際に興味深く観れるかもしれませんね、口出しもできるかもしれません。笑 一度ご覧あれ。
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